「今度こそ続けよう」と思ったのに、仕事終わりはクタクタで、 気づけば3週間で失速してしまう。
そんな経験、ありませんか。
筋トレが続かないのは、あなたの意志が弱いからではありません。 目標の立て方が“仕事終わりのあなた”に合っていないだけ です。
この記事では、 忙しい社会人でも3カ月続けられる「現実的な目標設定の方法」を解説します。
筋トレが続かない人の目標の立て方
筋トレを始めるとき、多くの人はこんな目標を立てます。
「お腹を引き締めたい」「筋肉をつけたい」「健康的な体になりたい」
どれも間違いではありません。
しかし、この種の目標には「できたかどうか」が判断できないという致命的な弱点があります。
「お腹が引き締まった」と感じるのはいつでしょうか。
どのくらい引き締まれば達成といえるのでしょうか。
基準が曖昧なため、頑張っても「まだ足りない」と感じ続け、いつの間にか疲れてやめてしまいます。
「目標の曖昧さ」による失速です。
目標は立てただけでは機能しません。
「測れる形」になって初めて、行動の指針になります。
筋トレが続かない人の多くは、意志が弱いのではなく、目標の精度が低いまま走り出してしまっているだけです。
曖昧な目標では「サボった日」に全部やめてしまう
「今週1回もジムに行けなかった。どうせ自分には無理だ」
こう感じたことはないでしょうか。
これは意志の問題ではなく、ゴールが見えていないことへの反応です。
マラソンで例えるなら、ゴールがどこにあるかわからないまま走っているようなもの。
途中で立ち止まっても「あとどれくらい走ればいいのだろう」と途方に暮れるだけです。
反対に、「3カ月後までに体脂肪率を3%落とす」という具体的な目標があれば、1週間サボっても「残り○週間でこれだけ取り戻せばいい」と考えられます。
目標は、挫折したときの軌道修正の基準にもなるのです。
「モチベーション頼み」の目標が危険な理由
「やる気が出たら始めよう」「気分が乗ったときに行こう」
この考え方が、筋トレを続けられない人に最も多く見られるパターンです。
モチベーションは、感情です。
仕事が忙しい日、睡眠が足りない日、嫌なことがあった日には、自然と下がります。
モチベーションを行動の燃料にしている限り、燃料が切れた日に動けなくなります。
継続している人の意志が特別強いわけではありません。
「やる気がなくてもやれる仕組み」を持っているだけです。
その仕組みの核になるのが、具体的な目標設定です。
目標があると、行動の判断基準が「今日やる気があるか」から「今日の行動が目標につながるか」に変わります。
この小さな視点の転換が、3カ月継続できるかどうかの分岐点になります。
筋トレの目標期間は「3カ月」がちょうどいい!
筋トレを続けようと決めたとき、どのくらいの期間を目安にすればいいのでしょうか。
「1カ月でどうにかしたい」という気持ちはわかります。
でも現実には、1カ月では見た目に出る変化はごくわずかです。
体脂肪が減り始め、筋肉の輪郭がうっすら変わってくるのに、一般的には最低でも2〜3カ月はかかるといわれています。

一方、「半年後・1年後を目標にしよう」という設定は、ゴールが遠すぎて日々の行動との結びつきが薄くなります。
「まだ先があるから今日はいいか」という先送りが起きやすいのです。
3カ月は、
- 変化が出始める
- 習慣が定着し始める
この2つが重なる絶妙な期間です。
1カ月では変化が見えず挫折しやすい。 半年では遠すぎて先送りしやすい。
3カ月は、忙しい社会人でも走り切れる“ちょうどいい距離” です。
変化が出始めるタイミングとゴールの近さのバランスがちょうどいい期間です。
「もう少し頑張れば変わるかもしれない」という実感が得られる頃に、ゴールが近づいてくる。
このリズムが、継続のエンジンになります。
3カ月でどれくらい変わる?
「3カ月で劇的に変わる」という情報をよく見かけますが、変化の大きさは個人差があります。
また、食事・睡眠・トレーニングの質によっても異なります。
過度な期待はかえって挫折につながるため、現実的な目安を知っておくことが大切です。
筋トレ初心者が週2〜3回のトレーニングと食事管理を3カ月続けた場合、一般的に期待できる変化の目安は以下のとおりです。
- お腹周りや二の腕など、脂肪がつきやすい部位の引き締まり
- 姿勢の改善・体幹の安定感の向上
- 同じ動作での疲れにくさ(体力・持久力の向上)
- 扱える重量の増加(筋力アップの実感)
「6パックが割れる」「体が劇的に変わる」というレベルの変化には、より長い期間と厳密な食事管理が必要です。
3カ月の目標は「明らかに変わったと自分で感じられる体になる」というレベルに設定しておくのが現実的で、かつ達成感も得やすいです。
3カ月続いた人と3週間でやめた人の違い
多くの人が筋トレをやめるのは、始めてから3週間前後です。
「変化が感じられない」「仕事が忙しくなった」「なんとなくフェードアウト」
こういった理由が重なるタイミングです。
では、3カ月続けられた人との違いはどこにあるのでしょうか。
ヒントになるのが、習慣形成に関する研究です。
ロンドン大学のPhillippa Lally博士らが行った研究[i](2010年、European Journal of Social Psychology掲載)では、新しい行動が「自動的にできる習慣」になるまでの期間を調査しました。
この研究では、習慣が定着するまでの平均日数は66日(約9週間)でしたが、個人や行動の複雑さによって18日から254日まで幅があることが示されました。
また、運動のような複雑な行動は、水を飲むといった単純な行動に比べて、習慣として定着するまでに約1.5倍の時間がかかることも報告されています。

つまり、筋トレが習慣として身につくまでには、平均で2〜3カ月程度かかる可能性があるということです。
3週間でやめてしまった人は、習慣が定着する手前でやめていたともいえます。
さらに同研究では、1〜2日サボっても習慣形成への影響は軽微だったという結果も示されています。
「少しサボっても続ければ大丈夫」という根拠が、ここにあります。
3カ月とは、筋トレが「やらなければいけないこと」から「自然とやること」に変わる、習慣化に必要な期間です。
筋トレを習慣化するためにも、3カ月の目標を立てることは理にかなっています。
筋トレの目標はSMARTゴールで作る
具体的にどんな目標を立てればいいのか。
ここで役立つ、SMARTゴールというフレームワークを紹介します。
ビジネスの目標管理でも広く使われている考え方で、5つの要素の頭文字をとったものです。
| 文字 | 意味 | 問いかけ |
| S | Specific(具体的) | 何を、どのくらい達成するのか? |
| M | Measurable(測定可能) | 数字で進捗を確認できるか? |
| A | Achievable(達成可能) | 現実的に届く目標か? |
| R | Relevant(関連性) | 自分が本当に求めていることと一致しているか? |
| T | Time-bound(期限付き) | いつまでに達成するのか? |
この5つをすべて満たす目標は、「何をすればいいか」が自然と明確になるという特徴があります。
逆にいえば、続かない目標はこのどれかが欠けていることがほとんどです。
たとえば「お腹を引き締めたい」という目標は、S(具体性)もM(測定可能性)もT(期限)も満たしていません。
これをSMARTゴールに当てはめると、「3カ月後までに、ウエストを-3cm細くする」になります。
同じ「引き締めたい」という気持ちでも、目標の精度がまったく変わります。
悪い目標と良い目標
SMARTゴールのイメージをより具体的に理解するために、よくある「曖昧な目標」と「SMARTゴールの目標」を比較してみましょう。
| 曖昧な目標(続かない) | SMARTゴールの目標(続く) | |
| 筋肉をつけたい | → | 3カ月でベンチプレスの重量を50kg→60kgにする |
| お腹を引き締めたい | → | 3カ月でウエストを-3cm細くする(毎週日曜に計測) |
| 週3回ジムに行く | → | 月・木・土の退勤後にジムへ寄る(帰り道に立ち寄る) |
| 食事に気をつける | → | 夕食にタンパク質源を毎日1品加える |
| 体重を減らしたい | → | 3カ月で体重を68kg→65kgにする(週1回朝に計測) |
曖昧な目標と比べると、SMARTな目標は「今日何をすればいいか」がすぐにわかる点が大きく違います。
行動の迷いがなくなるだけで、継続率は大きく変わります。
SMARTゴールの記入例
SMARTゴールの実例を挙げます。
この方の筋トレの目的は「見た目を改善し、引き締まった体になって自信をつけること」です。
目標:3カ月後の○月○日までに、ウエストを-3cm細くして、ベンチプレスを60kgで3セット挙げられるようになる
- S(具体的):ウエスト-3cm・ベンチプレス60kg×3セット
- M(測定可能):毎週日曜の朝にウエストを計測、トレーニング日にベンチプレスの重量を記録
- A(達成可能):週2回のジム通いで現実的に届く数値に設定
- R(関連性):見た目改善・自信をつけるという本来の目的と直結している
- T(期限付き):3カ月後の具体的な日付を設定済み
この目標があれば、「今日ジムに行くかどうか」を迷う必要がなくなります。
「今日行かなければウエスト-3cmとベンチプレス60kgが遠のく」という明確な判断基準ができるからです。
ぜひこの形式を参考に、自分のSMARTゴールを1つ書いてみてください。
紙のメモでもスマホのメモアプリでも構いません。
書いた瞬間から、目標は「意識の中」から「現実の行動指針」に変わります。
筋トレの目標を「数字」で管理する方法
MARTゴールで目標を立てたら、次に必要なのが進捗の管理です。
どれだけ良い目標を立てても、「今自分がどこにいるか」を把握していなければ、軌道修正ができません。
軌道修正ができないと、「3カ月経ったのに全然変わっていない」という結果になりかねません。
進捗管理で大切なのは、「何を測るか」を最初に1〜2個だけ決めておくことです。
あれもこれも測ろうとすると管理が煩雑になり、続きません。
シンプルに絞るほど、長く続けられます。
筋トレの進捗を測る代表的な指標と、それぞれの特徴を整理しておきます。
| 指標 | 測定方法 | 更新頻度の目安 | 特徴 |
| 体重 | 毎朝起床後・排泄後に計測 | 週1回(日曜朝など) | 変動しやすいので週平均で見るのが正確 |
| ウエスト・各部位のサイズ | メジャーで計測 | 月1回 | 体重より見た目の変化を反映しやすい |
| 挙上重量 | トレーニングログに記録 | 毎トレーニング日 | 筋力アップの実感が得やすい |
| 体脂肪率 | 体組成計で計測 | 月1回 | 機器によって誤差があるため傾向で見る |
初めて管理する方には、
- ウエストサイズ(月1回)
- メインの種目の重量(毎回)
の2つだけを記録することをおすすめします。
この2つを記録しておけば、見た目と筋力の変化、両方を追うことができます。
筋トレの効果は見た目・体力・気分にも現れてくる
数字は進捗を客観的に見るために有効ですが、数字だけを追いすぎると逆効果になることもあります。
特に注意が必要なのが、体重と体脂肪率の関係です。
筋トレを始めると、脂肪が減りながら筋肉が増えるため、体重がほとんど変わらない時期があります。
「体重が変わっていない=効果がない」と思い込んでやめてしまうのは、非常にもったいないパターンです。
そこで、数字以外の変化にも目を向ける習慣をつけることが大切です。
数字に出にくいけれど、確実に起きている変化の例:
- 同じ重量でのトレーニングが楽になってきた
- 階段を上っても息が上がりにくくなった
- 服を着たときのシルエットが変わってきた気がする
- 朝の目覚めがよくなった・疲れが翌日に残りにくくなった
- 鏡を見たときに以前より姿勢がよくなっている
こうした変化は、数字には現れにくいですが、体が確実に変わっているサインです。
数字と合わせて週1回程度、こうした変化を簡単にメモしておくと、「続けていてよかった」という実感が積み上がっていきます。
進捗管理の目的は「減点を記録すること」ではなく、「成長の証拠を積み上げること」です。
数字が思うように動かない週でも、他の変化を記録しておくことで、モチベーション低下を防げます。
筋トレの目標を達成するための3カ月ロードマップ
目標を立て、測定指標を決めたら、次は3カ月をどう進めるかの地図を描きます。
「3カ月間、同じことを続ける」では、途中で単調さに飽きてしまいます。
とはいえ、毎週メニューを変えすぎると、効果が測りにくくなります。
おすすめは、3カ月を4週ごとの3フェーズに分けて、各フェーズにテーマを持たせる方法です。
フェーズごとに「今自分はどのステージにいるか」が明確になり、先の見通しが立ちます。
第1フェーズ(1〜4週):習慣を作る・フォームを身につける
このフェーズの目的は、「ジムに行くことを当たり前にする」ことです。「行くことだけで100点」 と決めてください。
疲れた平日夜に完璧を求めると、必ず折れます。
トレーニングの強度や成果はまだ気にしなくていいです。
- 週2回のジム通いを予定どおりこなすことを最優先にする
- 主要な種目(スクワット・ベンチプレス・デッドリフトなど)のフォームを固める
- 軽めの重量で丁寧に動作を覚え、怪我のリスクを下げる
- トレーニング後に記録をつける習慣をスタートさせる
この時期は「変化がないな」と感じやすい時期でもあります。
土台を作っている段階なので、焦らずルーティンを積み上げることに集中してください。
第2フェーズ(5〜8週):負荷を上げる・食事を整える
フォームが安定してきたら、このフェーズで少しずつ強度を上げます。
同時に食事面も意識し始めるタイミングです。
- 前フェーズより重量を5〜10%程度増やすことを目安にする
- 各種目のセット数・回数を段階的に増やす
- タンパク質の摂取量を意識し始める(1日体重×1.6gを目標に)
- 毎食タンパク質源を1品加える習慣をつける
この時期から体に変化が出始め、「筋肉がついてきた気がする」「少し引き締まった」という実感が生まれやすくなります。

記録を見返して、第1フェーズとの変化を確認してみてください。
第3フェーズ(9〜12週):仕上げ・記録を振り返る
最終フェーズは、3カ月の集大成です。トレーニングの強度を維持しながら、SMARTゴールで設定した数値への最終調整を行います。
- 設定した目標数値(ウエスト・重量など)の達成状況を毎週確認する
- 第1フェーズ開始時の数字と現在の数字を比較し、変化を実感する
- 3カ月後のゴール日に向けて、食事・睡眠・トレーニングの質を揃える
- 次の3カ月の目標を考え始める(習慣が続く人はここで次のゴールを設定する)
週ごとの進捗確認をシンプルにする方法
3フェーズのロードマップを歩みながら、毎週1回だけ進捗を確認する時間を作りましょう。
週末の5分で十分です。
確認する内容はシンプルに2点だけ。
- 今週トレーニングできた回数(予定どおりか)
- 記録指標の数値(ウエスト・重量など)
「できた・できなかった」を記録するだけで、週ごとのパターンが見えてきます。
「木曜は仕事が忙しくて行けない」「雨の日はモチベーションが下がる」といった自分なりの傾向をつかめると、次の週の行動計画が立てやすくなります。
3カ月後のゴール日を今日カレンダーに入れる
構成案を読んだだけで終わらせないために、今日すぐにできることが一つあります。
スマホのカレンダーに「3カ月後のゴール日」を今すぐ入力することです。

「3カ月後」という言葉は漠然としています。
でも「○月○日」という具体的な日付に変わった瞬間、目標はリアルなものになります。
カレンダーに入れることで、日常の中に締め切りが生まれます。
仕事の締め切りがあれば動けるように、筋トレにも締め切りを作る。
たったそれだけのことで、3カ月間の過ごし方が変わります。
今日の日付から90日後を計算して、カレンダーに「筋トレ3カ月ゴール日🏆」と入れてみてください。
目標達成を助ける筋トレの記録術
目標を立て、ロードマップを描いた。
あとは実行するだけ
と思いきや、多くの人が見落としているのが「記録する習慣」です。
記録は単なるデータ管理ではありません。
「自分は続けている」という証拠の積み上げです。
人間は目に見えない変化を感じにくいため、記録がないと「やっているのに変わらない」という錯覚に陥りやすくなります。
逆に記録があれば、「先月より5kg重いものを挙げられるようになった」「今月は8回中7回行けた」という事実が確認でき、継続の燃料になります。
記録する内容は、複雑にする必要はありません。
以下の4項目を毎回メモするだけで十分です。
- 種目名(スクワット、ベンチプレスなど)
- 重量・回数・セット数(例:60kg×8回×3セット)
- 体調メモ(「疲れていたが最後まできた」「調子よかった」など一言)
- 日付
これだけです。スマホのメモアプリに1〜2分で書けます。
記録をつける習慣が定着すると、トレーニングの質も自然と上がっていきます。
「今日は記録に残したくない内容にしたくない」という意識が、丁寧なトレーニングを引き出すからです。
筋トレ記録ツール比較
記録を続けるには、自分に合ったツールを選ぶことが大切です。最も続けやすいものが最良のツールです。
| ツール | メリット | デメリット | こんな人に向いている |
| 手書きノート | 書く行為が記憶に残りやすい・一覧性が高い | 持ち運びが必要・検索しにくい | 手書きが好き・アナログ派 |
| スマホのメモアプリ | 手軽・いつでも見返せる・無料 | フォーマットが自由すぎて乱れやすい | シンプルに始めたい人 |
| フィットネスアプリ | 記録・グラフ化・進捗管理が一体化 | 入力に慣れるまで手間がかかる | デジタルツールが得意な人 |
| スプレッドシート | カスタマイズ自由・PC作業と相性がよい | 入力がやや面倒 | 数字管理が好きな人 |
特に初めて記録をつける方には、スマホのメモアプリから始めることをおすすめします。アプリのインストールも設定も不要で、今日からすぐに始められます。
続けられるようになってからフィットネスアプリに移行しても遅くはありません。
記録を「見返す習慣」が自信につながる
記録はつけるだけでなく、見返すことで真価を発揮します。
おすすめは、月の終わりに5分だけ「今月の記録」を見返す時間を作ることです。
1カ月前の自分が扱っていた重量、通えた回数、体調の変化、
それらを現在と比較したとき、「意外と変わっている」と気づくことがほとんどです。
人は変化に慣れるため、日々の積み上げを実感しにくくなります。
でも記録があれば、1カ月前の自分との差が数字として目に見えます。
- 先月:ベンチプレス50kg×8回がギリギリだった
- 今月:55kg×8回を3セットこなせた
この変化は、毎日ジムに行っていても「なんとなく強くなった気がする」程度の感覚しか残りません。
でも記録があれば、「確実に成長している」という自信の根拠になります。
3カ月後にゴール日を迎えたとき、記録を見返すとその積み上げが一目でわかります。
その体験が「次の3カ月も続けよう」という意欲に変わります。
記録は、過去の自分が未来の自分を励ます仕組みです。
目標を持って筋トレを続けるメンタル管理術
目標を設定し、記録をつけ、ロードマップを描いた。
それでも、3カ月間を通じて必ずつまずくタイミングがきます。
「2週間ほど行けなかった」「体重が全然変わらない時期が続いた」「仕事が繁忙期で完全に止まってしまった」
こうした壁は、続けている人ほど経験しています。
問題はつまずくこと自体ではなく、つまずいたあとにどう対処するかです。
メンタル管理を知っておくと、挫折が「やめる理由」ではなく「再起動のタイミング」に変わります。
「サボった日」の正しい対処法
サボった翌日、多くの人はこう思います。
「また休んでしまった。どうせ続かない」。
この思考パターンが、筋トレをやめる最大の引き金です。
1回サボったことへの罪悪感が膨らみ、「どうせ自分には無理」という結論に飛躍してしまう。
心理学ではこれを「What-the-hell effect(やけくそ効果)」と呼ぶことがあります。
ダイエット中に少し食べすぎたことをきっかけに「もういいや」と全部やめてしまう、あの感覚です。
対処法はシンプルです。サボった翌日に、何か小さなことをひとつやる。
ジムに行けなかった翌日に、自宅でスクワット10回だけやる。
それだけでいいです。
「また再開した」という事実を作ることが、連鎖的な停止を防ぎます。

1日サボっても習慣形成への影響は軽微だということは、上記「3カ月続いた人と3週間でやめた人の違い」項で紹介したLally博士の研究でも示されていました。
サボりは「失敗」ではなく「一時停止」です。
挫折しやすいタイミングと対策
3カ月の中で、特に挫折しやすいタイミングが2つあります。
あらかじめ知っておくだけで、心構えが変わります。
2週間スランプ
始めてから2週間前後は、最初の高揚感が落ち着いてくる時期です。
「なんとなくしんどい」「行くのが面倒になってきた」という感覚が出やすく、ここで脱落する人が多いです。
対策は、「2週間目は必ずしんどくなる」と先に知っておくことです。
「これは想定内だ」と思えるだけで、乗り越えやすくなります。
このタイミングこそ、設定したロードマップの「第1フェーズ(習慣を作る期間)」の山場です。
重さや回数を気にせず、とにかく行くことだけを目標にしてください。
1カ月の壁
1カ月が経過する頃、「思ったより変わっていない」という焦りが出やすくなります。
体の変化が出始めるのは一般的に2〜3カ月といわれているため、1カ月では見た目にほとんど変化が出ないことがほとんどです。
対策は、評価の基準を「見た目」から「行動」に切り替えることです。
「今月、何回行けたか」「重量は先月より上がっているか」という行動ベースの振り返りに意識をシフトしましょう。
見た目の変化は後からついてきます。
進捗が見えないときの確認ポイント
「頑張っているのに変わっていない」と感じる時期は、どんな人にも訪れます。
そんなとき、やめる前に以下の3点を確認してみてください。
① 食事(タンパク質)は足りているか
トレーニングの質がよくても、タンパク質が慢性的に不足していると筋肉は育ちにくいです。
1日の食事を振り返り、体重×1.6gに届いているかを確認しましょう。
② 睡眠は十分にとれているか
筋肉の修復は睡眠中に行われます。
睡眠不足が続くと、同じトレーニングをしても回復が追いつかず、変化が出にくくなります。
7時間前後の睡眠を意識してみてください。
③ 重量・回数は少しずつ増えているか
見た目に変化がなくても、扱える重量が増えていれば筋肉は確実に育っています。
記録を見返して、1カ月前より数字が上がっていれば、それは変化の証拠です。
宣言する
最後に、続けるための強力な手段をひとつ紹介します。
それが「誰かに目標を宣言すること」です。
「3カ月でウエストを3cm細くします」と友人・同僚・SNSのフォロワーに宣言する。
それだけで、継続率が変わります。
これは「社会的コミットメント」と呼ばれる心理的な効果で、他者の目を意識することで行動の一貫性を保とうとする人間の特性を活用したものです。
自分だけの目標は「まあいいか」でやめられますが、誰かに話した目標は「やめたら恥ずかしい」という感情が行動を引き止めてくれます。
SNSに投稿する。ジムで同じ目標を持つ仲間を作る。信頼できる友人に話す。
どんな形でも構いません。
目標を「自分の中だけ」に留めておかないことが、3カ月を走り切るための最後の一押しになります。
まとめ:筋トレを3カ月続けるために
この記事でお伝えしたことを整理します。
- 続かない原因は意志ではなく、目標の曖昧さにある。
「測れる目標」に変えるだけで行動が変わる
- 筋トレの目標期間は3カ月がちょうどいい。
変化が出始めるタイミングと、習慣が定着するまでの期間が重なる
- SMARTゴールで目標を具体化する。
S・M・A・R・Tの5要素を満たす目標は、迷いなく動ける行動指針になる
- 進捗は1〜2個の指標だけで管理する。
数字以外の変化(体力・姿勢・睡眠)にも目を向けることで、停滞期を乗り越えやすくなる
- 3カ月を3フェーズに分けてロードマップを描く。
「今自分はどのステージにいるか」が見えると、焦りが減る
- 記録は続けていることの証拠になる。
月1回見返すことで、成長の実感と自信が積み上がる
- サボった翌日に小さく再開する。
1回の休みで全部やめない。2週間・1カ月の壁は「想定内」と思えれば乗り越えられる
今日やること:3カ月後の日付をカレンダーに入れる。
スケジュールに入れた瞬間から、あなたの3カ月が始まります。
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[i] 参考文献:Lally, P., van Jaarsveld, C.H.M., Potts, H.W.W. and Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009. https://doi.org/10.1002/ejsp.674

